ギリシャ問題 2015 7 4
借金問題が起こった時に、
重要なポイントは、
お金を稼ぐ力が残されているかどうかです。
そういう力がないならば、自己破産すべきであり、
まだ、お金を稼ぐ力があるならば、
利子減免や元本削減で対応すべきです。
今のギリシャを見れば、
もはや、お金を稼ぐ力が残されていないと判断すべきで、
ギリシャは、ユーロ圏に残りながら、自己破産すべきです。
こうした正解がありながら、ギリシャ問題が長引いたのは、
銀行問題があるからです。
ギリシャの銀行だけでなく、
ギリシャへ多額の資金を貸し出した外国の銀行も、
経営危機になるので、
ギリシャ問題は、2010年から、
常に「先送り」という対応で切り抜けてきました。
バブルの崩壊というと、
リーマン・ブラザーズが破綻したアメリカを連想しますが、
実は、欧州の方が、バブルの程度が大きかったのです。
だから、欧州大陸で、
リーマン・ブラザーズのような破綻が起こっても不思議はなかったのです。
そこは、欧州の「秘密主義」で切り抜けたのかもしれません。
さて、ウォール街にあった金融商品製造工場で製造されて、
隠し味に「サブプライム」が入った金融商品の大半は、
欧州大陸に輸出されました。
今でこそ、「サブプライム危機」と言いますが、
当時は、「サブプライム景気」と呼ばれていました。
思い起こせば、1990年代にバブルが崩壊した日本では、
銀行の過剰融資が問題になりました。
融資案件をよく調べてみると、
もはや銀行本体では貸しすぎで、
これ以上、融資ができないので、
今度は、銀行が子会社を作って、
子会社経由で融資していた案件が多数ありました。
正当な担保価値に対して、10倍以上も融資している事例もありました。
要するに、過剰融資がバブルを作っていたのです。
普通は、借金というものは、
借り手の悩みとなりますが、
その額が巨額になると、
今度は、貸し手の悩みとなります。
借り手が「返さない」と宣言すると、
貸し手も破綻するからです。
このような問題の歴史は古く、
ローマ帝国時代から、繰り返されていました。
ところで、アメリカにも「借金文化」があったのですから、
当然、欧州大陸にも「借金文化」があったはずです。
2003年6月23日の日本経済新聞には、このような記事がありました。
「住宅担保に消費者ローン」
「家計、金利負担増の懸念」
「アメリカで、住宅を担保にした消費者ローンが急増している」
「ただ、同ローンは大半が変動金利であるうえ、住宅バブル頼みの色彩も強い」
「ホーム・エクイティ・ローンと呼ばれる融資は、
住宅の評価額から住宅ローンを除いた部分を担保にするもので、使途の制限はない」